新型コロナウイルスのPCRの陽性的中立の議論。
PCR検査を「拡大すべきではない」理由は、誤差が大きいので意味が無くなる。だからこそ、高齢者や持病がある方や特定の条件(中国の武漢の渡航歴など)に合う方に限って検査を行っています。
100%完璧に異常と正常を見分けられる検査(高血圧、糖尿病などを除く)は存在しません。
つまり、患者さんが殺到し通常の医療活動ができなくこることを避ける為ですね。年間のインフルエンザ患者数は許容範囲内でしょう。
陽性的中立の議論
問題1
- 風邪の患者:100人
- 罹患:2割
- 感度(真陽性率):7割
- 特異度(真陰性率):9割
その場合の、陽性的中立は?
【感度(真陽性率)】保有者に占める陽性者の割合
【特異度(真陰性率)】非保有者に占める陰性者の割合
【罹患(保有割合)】人口に占める保有者の割合
【陽性適中度】陽性者に占める保有者の割合
【陰性適中度】陰性者に占める非保有者の割合
【特異度(真陰性率)】非保有者に占める陰性者の割合
【罹患(保有割合)】人口に占める保有者の割合
【陽性適中度】陽性者に占める保有者の割合
【陰性適中度】陰性者に占める非保有者の割合
- 病院に来る患者が100人います。
- そのうち2割の20人(100×20%=20)が新型コロナウイルス罹患です。
- その他の80人(100-20=80)は新型コロナウイルスに罹患していない。
- 感度(真陽性率)は、罹患のうち検査陽性の割合で7割だと14人(20×70%=14)となる。
- 特異度(真陰性率)は、罹患していない人のうち検査陰性の割合で9割だと72人(80×90%=72)となる。
- その時の陽性的中立は、検査陽性のうち罹患している人の割合なので64%(14÷22=63.636)となる。
その場合の、陽性的中立は、約64%です。
関連記事 【PCR検査】感特異度の自動計算
ー | 新型コロナウイルスの罹患 | 新型コロナウイルスに罹患していない | 検査結果 |
検査で陽性 | 14人(正陽性) | 8人(誤陽性) | 22人 |
検査で陰性 | 6人(誤陰性) | 72人(正陰性) | 78人 |
真の値 | 20人 | 80人 | 100人 |
- 14人(正陽性)・・・新型コロナウイルスに罹患している人
- 6人(誤陰性)・・・新型コロナウイルスに「罹患している」のに、「罹患していない」と間違って出た人
- 8人(誤陽性)・・・新型コロナウイルスに「罹患していない」のに、「罹患している」と間違って出た人
- 72人(正陰性)・・・新型コロナウイルスに罹患していない人
終わりに
「全員にPCRを行うべきだ!」と主張がありますが、前述のように誤差があります。
誤陽性・誤陰性と判断された方が多く存在する事を理解し、対策方法が無い事からも免疫を高め自宅療養するしかないのは同じなのです。
最近「簡易検査キット」も言われていますが、一般的にPCR検査よりも誤差が大きいと考えられています。
本当に必要ですか?
これから医療統計を学ぶ方にはコレ
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