ファーウェイ取引の日本企業800社取引禁止!?米中と取引のある企業向けですが「国防権限法」についてご存知でしょうか?

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米中と取引のある企業向けですが「国防権限法」についてご存知でしょうか?

この事の経緯は深田萌絵さんが従来から指摘されていますから、事の深刻さと重大性は本書3冊をまずお読みください。

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「国防権限法」について

米国防省、連邦調達庁、米航空宇宙局(NASA)は2019年07月29日、2019会計年度国防授権法(NDAA)889条の履行にかかる公聴会を開催した。

トランプ米国大統領は2020年03月12日、安全保障上の脅威となる企業から、連邦補助金を使用して通信機器・サービスを購入することを禁じる法案( H.R.4998 )に署名し、同法が成立した。

ホワイトハウスは、3月12日に公表した新法に関するファクトシート( Fact Sheets )で、「通信インフラの構築のために、信頼できない販売会社(の製品・サービス)を使うことは、米国のネットワークを潜在的に外国勢力の影響にさらすことになり、安全保障上の脅威となる」と指摘した。

米国国防権限法2019の概要

  1. 中国企業(外資企業を含む)や外国企業が、これら中国企業の通信・監視関連製品等が使われている機器 、 サービス を利用している場合は、米国 政府機関と取引が困難となる。
  2. 米国政府機関が取引を 禁止される企業の、業種は問わない (情報通信関連企業だけではない)。
  3. 米国政府機関と直接取引していなくても、政府機関に納入される製品用のシステムや部分品を納めている 2次、3次サプライヤーの場合 も、その納入企業から上記の中国企業の部分品、システム等を利用していないかの確認を求められ、利用 していれば取引できなくなる可能性が大きい。
  4. 通信機器には、ーバー、ルーター、ディスプレイ、業務用スマホ( 業務用に使うことがある個人スマホを含む )等だけでなく、通信機能を有する半導体や、通信機能を有さない半導体(DRAM 等のメモリー製品)であっても通信に関わるデータの保存・処理に利用されている場合は該当する。

中国製通信・監視機器等の政府調達禁止

米国政府機関に対し、「特定5社を含む中国企業製の通信・監視関連の機器・サービスを利用している機器・システム・サービス」の購入・取得・利用、及び「特定5社を含む中国企業製の通信・監視関連の機器・サービスを利用している、機器、システム又はサービス」を利用している企業・拠点との契約・取引を広汎に禁止

中国5社の機器・サービスを利用している機器・システム・サービス」を利用している企業・拠点(=entity)との契約も禁止している。また更に、国防長官、FBI長官ら の協議により、中国に「所有/支配/関係」していると合理的に認められる企業の同様の機器、サービスの購入、利用の禁止も規定されており、「支配(control)/関係(connect)」は、広く解釈されうる(ただし、具体的規制対象は告示される)。

現地法人・子会社と日本の本社とは別扱いではあるものの、当該機器等を利用している企業の親会社や子会社であっても、サプライチェーンやIT ネットワークの統合の程度によっては、それらの親会社、子会社の製品にも禁止規定が及ぶ可能性があるとのことである。

中国輸出管理法草案の再輸出、みなし輸出規制

  • 改訂草案での再輸出規制の適用の有無と、みなし輸出規制の適用範囲は不明確ではある。31・しかし、それが米国方式で導入されるとすれば、輸出管理規制対象の中国原産品を一定割合以上含んでいる製品を日本や海外拠点から輸出する場合には、中国政府の許可が必要となる。
  • 企業内の非中国人役員・社員への技術提供も規制対象となるとすれば、中国での外資企業内での日本人出向者と中国人社員との技術的打ち合わせ、技術データベースへのアクセス等も、許可対象となる可能性がある。

ECRAの「エマージング技術」「基盤的技術」の輸出規制

  • 「技術」だけが対象ではなく、「貨物」「ソフトウェア」も対象となる。
  • 「みなし輸出」「みなし再輸出」の規制により、米国企業内、日本企業内(米国子会社内を含む)で外国人社員を雇い該当技術を用いた研究開発を行う等の場合は、輸出/再輸出したとみなされるので米政府の許可が必要

識者や議員らから、マルウェア等によるサイバー攻撃やAI監視カメラ等による情報流出等の懸念が下院公聴会等の場で指摘されていた。

20年間米国が育ててきたと言っても過言ではない中国でも潮面が変わりつつある。中国が安価な通信インフラを世界中で販売する事でGAFAも成長してきた。ソフトバンク以外の日本企業もウイグル強制収容所の監視カメラ製造や 国民監視シスステム (顔認証、行動認証など)などに関係がある日本企業も懸念すべきだろう。

中国5社:中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)、通信機器大手の中興通訊(ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ )。

参考記事

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