新型コロナウイルスが日本国内で初めて確認されてから、1年あまりが経過した。
さあ
お金の雑談をしようと思う。
日銀
2%の「物価安定の目標」を掲げているが、経済・物価情勢の展望(展望レポート)2020~2023年度の政策委員の大勢見通しの2022年度が+0.8で、2023年度が+1.0となっている事から黒田総裁の任期切れでも2%の達成は出来なかったことになりそうだ。
日銀は、「金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。」をリフレ派が増えて約10年続けて無理だったのだから方向転換が必要と思うが、「2%」が契約である以上、新たな契約をし直す必要があるし、政治的な事から始まったのに不本意だろう。
日本の格付けは、格付「A+」で展望「Stable:安定」だが、今後の格付「BBB+」で展望「Negative:不安定」になった場合、カザフスタンと同じになる。欧州債務危機時に金融市場の混乱の影響を大きく受けたイタリアと同格(BBB)のレベルである。
国債格下げで日本企業や金融機関についても悪影響は甚大だが、この財政過でコロナに遭遇してしまった。
日本銀行の資産と負債および純資産の推移についてGDPが550兆円(2020年)ですが、2010年に約100兆円弱程度でしたが、2021年に700兆円を突破しました。
ある意味快挙ですが、日本銀行の異次元緩和で景気が良くなり物価が上がらない事が実情として出てきました。
国債の保有も70兆円弱程度(2010年)でしたが、2021年には550兆円に近づいています。
国債を買い続けるのか辞めるのか不明ですが、辞めるという判断を公にせず、買いの量を制限するかもしれません。
国債の引当金といして、ETFが考えられるが、GPIFとの兼ね合い次第です。100年で消化する事が前提なので可能と言えば可能。
当座預金は、2021年に500兆円を超えています。当座預金取引の相手方は、当然ですが日本の各地方銀行ですから皆さんの地銀も影響下にあります。
マネタリーベースの平均残高の推移は、2013年から大規模な金融緩和が実施され2020年は凄く増えている。
令和元2年度一般会計補正後予算 歳出・歳入の構成の一般会計における歳出・歳入の状況は、一般会計の歳出も特例公債発行額も凄く増えた。
令和3年度国債発行予定額を見ると、復興債の額は下がったが、財投債の額が令和元年よりも更に増えた(令和元年補正後12兆円から令和2年2次補正後54.2兆円から令和3年当初45兆円)。新規国債は税収によって返すお金だけど、財投債はガチで国民が働いて返すお金であり、この金額を返せないと予想される。令和2年と令和3年の財投債の増加と、新規国債の増加を考えると、令和2年の財投債が返せなかった額を令和3年の新規国債で突っ込んでいると思われる。借換債の額が、毎年、百兆円以上で雪だるま式に膨らんでいる。
国債の利回りの推移、住宅ローンは長期金利の影響を受けるので、住宅ローンは長期の固定で組まないと怖い。変動や短期は低いが20年など長期の住宅ローンを考えると今が底値な気がする。10年物国債利回りの、イールドカーブ・コントロールの幅0%を中心にプラスマイナス0.2%の範囲内。
現実として、日本以外の諸外国は過去20年好景気に伴うインフレ(物価上昇)が続いてきた。しかし日本は低物価なのだ。物価に負ける金利はどうなんだろうか?
地方銀行の経営統合・合併
貸出約定平均金利の推移は、減少傾向が続いている。金利が1%台なので貸し渋りが起きる。例えば100社中1社のみ倒産が許される水準だから金融機関が貸出先を選択する事、国債の利回りも考えると地方銀行の経営統合・合併が進むので、預金等全額保護の特例措置が平成13年度で終了済み。個人資産の一般預金等は1,000万円までしか元本保証されない。元本1,000万円を超える部分については、当座預金なら全額保証の対象。証券会社のMRF(マネー・リザーブ・ファンド)に分けるなどが必要。
・経営統合または経費削減に取り組んだ地銀や信用金庫などに向け、日銀当座預金の金利を年0・1%上乗せする制度を発表。※???
日本の人口動態よりも短期的な課題のデフレ脱却を注視した結果かもしれないが、今から対策して結果が出るのは20年後であり、その時の日銀や地銀のファイナンスは悪夢の状態である可能性が高い。
落ち込みが深刻な対個人サービス
短 観(概要)2021年3月を見ると、コロナ過で外出や旅行が減った事で、2020年12月調査から2021年3月調査で対個人サービスと宿泊・飲食サービスが悪化している。繊維業界も悪い事がはっきりと分かる。
しかし、製造業(-10⇒5)はプラスに転じた。非製造業(-5⇒-1)は、マイナスだがプラスへ増加している。
短観の2021年3月調査全容Judgement Survey(Continued).の資金繰りのA8(p16,17)と金融機関の貸出態度のA9(p18,19)を見ると制度融資で事業者に金が入っている状態でも、「宿泊・飲食サービス」がマイナス(苦しい)が多く継続している。
帝国データバンクの2020年度報を見ると、制度融資によって救われた企業が多いのか「20年ぶりの低水準…負債総額は過去最小」とあるが、「返済猶予後倒産」が起き、「原材料の高騰」が起きている。
倒産件数が宿泊業(125件)は同66.7%増と大幅に増加し、2011年度以来過去2番目の高水準となった。
政府としては飲食・宿泊等を助ける方向性を示している。しかし、この支えが1年以上も続けて行けるのだろうか?かなり厳しいと考えてしまう。
景気ウォッチャー調査 季節調整値:全国の分野・業種別、地域別DIの推移の飲食関連2020年3月~5月を見ると瀕死。
上記のデータから業種別に資金注入しかなさそうだ。
詳しくは、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化 がおすすめです。
観光業界
観光業界は、海外観光客によって支えられていたが、この状況下では国内で回す必要がある。民間人のコロナ過で状況判断で行先や旅行が変わるが厳しい状態が中・長期化しそうだ。
JNTOによれば、需要回復の契機については、いずれの市場でも「治療薬の発見」「治療法の向上」「ワクチン接種」が上位となった。
インバウンドの回復(国際線収益回復)は2024年と言われているが、ビジネストリップは「ZOOM」でOKが普通になったので航空業界など収入主体だったビジネス客層が大幅に減ったままではないだろうかと思案する。
景 気 ウ ォ ッ チ ャ ー 調 査 Economy Watchers Survey令和3年3月調査結果の「図表9 景気の現状判断DI(各分野計)(季節調整値)」を見ると、全国12 地域で上昇したが、「まん延防止等重点措置」が4月末から始まるので、4月の結果はこの連続で考える事は出来ない。
対コロナ緩和策
消費増税10.0%でかなり辛い中で2020年コロナ遭遇し2021年4月現在、オリンピック・パラリンピックに向けての対コロナ緩和策が行われている。
終わりに
医療体制のひっ迫度合いが経済活動の限界を決める
日本の接種率は世界で見ても100位以下で、ワクチンの確保すらままならない中、第4波が到来している。
医療体制が逼迫(ひっぱく)する度に、移動などの制限要請が出て経済を圧迫する状況が続いて、医療体制の逼迫(ひっぱく)を回避し経済をゆっくり回すプランはなさそうです。
この20年だけ見てもHIV/AIDS、SARS、MERSなどがあり、新たな感染症が繰り返し発生していたが、準備もなされなかった。さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)につて科学的知見に基づいて政策・判断が行われなかったように見えます。
海外の土着病が、世界中に拡散する機会が増え、スピードも速くなっている。今回耐えた業界の方は、体力のある時に予行演習として行えたと考えている。
今後ハードモードが訪れた場合に、備える事として中国・台湾方式(感染者やその接触者に対する追跡システム)やスウェーデン方式(低リスク群の流動性、高リスク群は制限)の2言論ではなく、それぞれにメリットがデメリットが民主主義国として日本は情報戦が弱ったと言う感覚がある。
中国は、コロナを利用して高齢化社会に突入する準備もデジタル人民元、オンライン診断などの整備が進んだ形になった。
最悪の事態をシミュレーションして備え、リスクをハッピープランとバットプランで評価する。これまでの伝統が通じず、忖度してくれない。
組織内でも危機意識が割れたように、リーダーの最適解は「判断をしない、決断をしない」事が最善で誰からも決断を批判されずに済みます。
自己の状況を、客観的に正当に評価することは難しいですが、それから始まると考えます。
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