「金・銀・銅は全部ナイキ」厚底&高速スパイクだけど、クッション性の高いランニングシューズは脚の負担を増加させるかもしれない

健康維持・増進
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2020東京オリンピックの花形競技の陸上種目で、結果的に選手はナイキ社を選択し「金・銀・銅は全部ナイキ」となった。

前提として選手が早いのは勿論だが、あと一歩を決めるのは道具であると事を無視できない。

レーザーレーサーという高速水着が使用禁止(好記録を連発)になった事からも、道具が新記録を作っている事を認める事ができず運営にとっては幻想を売れないからでしょう。

エネルギーコスト減

出典元・引用文献:A Comparison of the Energetic Cost of Running in Marathon Racing Shoe

3つのシューズを比較した。

  • NS:ナイキのズームストリーク 6
  • AB:アディゼロ
  • NP:ヴェイパーフライ

NPシューズは、ABシューズは67.5%でNSシューズは65.5%よりも弾力性がある87.0%のエネルギーの戻り値だった。

NPシューズを履いて走ると、NSシューズランナーよりも平均4.16%少ないエネルギーで、ABシューズを履いたランナーよりも平均4.01%少ないエネルギーで走行可能だ。

シューズによってランナーは走行時のエネルギーを4%節約できる事から、フルマラソンなど長距離では差が出てきそうですね。

シューズの性能差は選手個人の能力が拮抗している時に差が出て来るのだと分かりますね。

2020オリンピックでも選手がシューズを勝つために選ぶ理由が、スポンサーである事以上に重要だと言えます。

圧底シューズで故障が違う

出典元・引用文献:Influence of Maximal Running Shoes on Biomechanics Before and After a 5K Run「最厚ランニングシューズが5km走行前後の生体力学に及ぼす影響」

HOKA ONE ONEシューズ(左)とニューバランスシューズ(右)の衝撃比較を行いました。

ソールのクッションが厚底だと分かりますよね。

トレッドミルで5km走った時の脚への影響はい以下の様になりました。

  • 右側のオレンジがニューバランス
  • 右側のオレンジがHOKA ONE ONE

オレンジ幅が大きい事から、HOKA ONE ONEの方が負荷率が明らかに高いことがわかります。

衝撃のピークを比較した場合でも、HOKA ONE ONEの方が高いことがわかります。

シューズのクッションが高いものが、衝撃や負荷が減ると考えられていましたが、余計なクッション性が高い分、逆に足への負荷が高くなり、足や筋肉や関節などで吸収量が増えるといえますね。

その分、故障リスクが高くなりとも考えられますし、私達市民ランナーは、フィアフット・ミッドフットを意識してる方も多いのではないでしょうか?

結果として、かかと着地時の衝撃吸収を考えてクッション性の良いものを選んだつもりでも実際は衝撃が強くなっている事もあるのです。

私達が靴選びの際にクッション性だけが正義ではないく、潜在的なリスクも考えて選ぶ必要がありそうです。

クッション性は脚の負担を増加

出典元・引用文献:Running in highly cushioned shoes increases leg stifness and amplifes impact loading
「非常にクッション性の高いシューズで走ると、脚の剛性が増し、衝撃荷重が増幅される」

低速10km/hおよび高速14.5km/hで走って比較を行いました。

衝撃のピークの場合は、赤のクッション性MAXが低速で6.4%、高速で10.7%高くなり高速になる程に差が広まりました。

負荷率の場合は、低速では差が少ないですが、高速ではクッション性MAXの方が、12.3%も高い事が分かります。

  • a:衝撃のピーク
  • b:負荷率

脚の剛性(a)は、高速で差があり、クッション性MAXが高い結果となった。

クッション性MAXのシューズは、スピードに関係なく脚の圧縮(b)や重心の下降(C)で少なくなり、重心の振幅(d)や垂直の向きに地面から受ける反発力のピーク(e)は、低速では少なく高速で大きくなった。

  • a:脚の剛性
  • b:脚の圧縮
  • C:重心の下降
  • d:重心の振幅
  • e:垂直の向きに地面から受ける反発力のピーク

シューズのクッション性がが高い事が、脚の負荷を軽減せず逆に衝撃を高めるる事で、負担が大きくなる事が分かります。

100分の1秒を競う競技選手を除いて、市民ランナーがクッション性のみを評価としてランニングシューズを選ぶ必要は無さそうです。

衝撃吸収のインソールはケガの予防に使えない気が・・・・。

出典元・引用文献:Effectiveness of foot orthoses and shock-absorbing insoles for the prevention of injury: a systematic review and meta-analysis
「傷害防止のための足の装具および衝撃吸収インソールの有効性:系統的レビューおよびメタ分析」

クッション性が高いインソールよりも人間の脚の方が優秀だよねという結論でした。
クッション性が高いが高いインソールを履いて、60cmから落ちた時の衝撃を測定すると、自分の意志でジャンプした時はインソールなしでも差が無かった。

自分の足にあったシューズを選ぶ事の方が重要そうですね。

ランニングフォームで故障の違い

早く走る為に正しいランニングフォームが重要だと考えていましたが、違うようです。

出典元・引用文献:Is There a Pathological Gait Associated With Common Soft Tissue Running Injuries?
「ランニング傷害を伴う一般的な軟部組織に関連する病理学的走行はありますか?」

脚を故障し易い走り方の特徴は、着地時に膝が伸びていて、足首が背屈していて反対側の骨盤が下がって上体が前傾していたことが分かりました。

実験は以下の様に行われました。

  • (A)故障したランナー
  • (B)健康なランナー

下図によると「(A)故障したランナーは膝関節が伸びていて、足関節は背屈(上側に反っていて、つま先が上を向いている)して上体が前傾をしていました。」

下図によると「(A)故障したランナーは着地した脚の反対側の骨盤が下がり、着地した脚の股関節は内転していました。」

最初の着地パターンでは差異がありませんでした。

  • (A)故障したランナー:つま先着地が17人、かかと着地が19人
  • (B)健康なランナー:つま先着地が27人、かかと着地が45人

下図によると

(A)と(C)は、健康グループと故障グループでの比較
(B)と(D)は、故障グループでの比較

  • (A)反対側の骨盤の下がり
  • (B)反対側の骨盤の下がり
  • (C)股関節の内転
  • (D)股関節の内転

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終わりに

オリンピック選手の様に、一生に一度のチャンスで爆速に走る事と市民ランナーでは目的が違うと思います。

健康維持の一環として市民ランナーの方で、上記のエビデンスと近いので、故障しにくい走り方を漫画見ると分かり易いかもしれませんね。

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